今年3月から現在まで中国経済で今もっともホットな話題となり、日本のメディアだけでなく、世界中が注目しているアジアインフラ投資銀行(AIIB)について、現時点でのまとめをしたいと思います。 アジアインフラ投資銀行とは、中国が提唱し、途上国で鉄道、道路、送電網、港湾などインフラ整備に必要な資金を低い金利で貸し出す銀行です。昨年(2014年)10月24日に中国の呼びかけに応じた20カ国の財務担当代表が、北京の人民大会堂で設立に向けた覚書の署名式に参加しました。資本金は当初500億ドルでスタートし、将来的には1,000億ドル(約12兆円)規模になる予定で、その内半分(500億ドル)を中国が負担し、25%をアジア圏、残る25%を欧州などが各国の経済規(GDP)に応じて出資する予定です。現在中国の外貨準備高は3兆8,000億ドル(約456兆円)ありますので、500億ドルは1.3%に相当します。
アジアインフラ銀行が設立される背景には、急速……
松本 健三