はじめに 中国経済の失速が懸念されるなか、国家発展・改革委員会の幹部が当面の経済情勢・政策について積極的に発言している。本稿では、その概要を紹介する(経済日報2015年7月29日)。
1.経済情勢:李朴民秘書長 上半期の経済運営は、鈍化の中で安定に向かい、安定の中で好転し、安定の中で前進している。 「安定」は、主として6方面に現われている。 ①成長率が安定している 上半期のGDP成長率は7%であり、年間予期目標と一致している。しかも、1-3月期、4-6月期の成長率がいずれも7%であり、大きな変動が出現していない。 ②消費が安定している 上半期の社会消費品小売総額は、前年同期比実質10.5%増となっている。 ③物価が安定している 上半期の消費者物価は、前年同期比1.3%の上昇であり、総体としておだやかな上昇傾向を示している。 ④雇用が安定している 上半期の都市新規就業増は718万人であり、年間目……
田中 修