1.内部統制の目的と基本的要素について
激変するビジネス環境へ一瞬の気を許すこともできない中国で仕事をしていく中で、「果たして日々のオペレーションは正しく行われているだろうか?」「月次報告の営業利益や在庫の数字は正しいのか?」と不安を抱きながら、会社の業績数字に目を通している経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。目に見えない問題(リスク)がその許容量を超える前に、真の内部統制構築のアプローチとして「業務プロセスの文書化」と「CAATの導入」について検討してみては如何でしょうか。
最初に「内部統制」の言葉の定義に触れたいと思います。
会社法と金融商品取引法(J-SOX法)の相次ぐ施行に伴い、平成20年度からは上場企業に内部統制報告制度が義務付けされました。その対応に一段落した現在、法令準拠の観点から「内部統制」を強制的に整備するのではなく、組織が自らの目的を達成する為に、自……
川島 肇