はじめに
ここ1年ほど、江蘇省や遼寧省の日系企業担当者から、「これまで危険廃棄物の処理を委託していた事業者が営業停止処分を受けた。新しい委託先を探さなければならず、困っている」や「危険廃棄物処理料金が値上がりした」という情報が寄せられるようになった。
製造企業(工場)から出される廃棄物には、一般工業固形廃棄物と危険廃棄物がある。危険廃棄物とは、腐食性、毒性、燃焼性、感染性などを持つ廃棄物のことで、具体的には国家危険廃棄物リストで定められた49カテゴリーの廃棄物(液体も含む)を指すが、これ以外にも危険廃棄物を判定する鑑別基準も定められている。ここで問題になるのは、管理が厳格で処理事業者が限定されている危険廃棄物であるため危険廃棄物処理に重点を置いてまとめる。
図1.中国の固形廃棄物分類
工場で行う廃棄物管理
工場で行う日常的な廃棄物管理については、……
大野木 昇司