はじめに 人民銀行は8月25日、利下げ(8月26日)と預金準備率引下げ(9月6日)のダブル実施を発表した。昨年秋以降、5度目の利下げ、4度目の預金準備率引下げ(方向を定めた準備率引下げを含む)である。同時に、預金金利の自由化を更に進め、期間1年を超える定期預金の金利を自由化した。本稿では、当局の発表・解説を紹介する。
1.人民銀行の発表(8月25日) (1)利下げ8月26日から、金融機関の人民元貸出・預金基準金利を引き下げ、企業の資金調達コストをさらに引き下げる。うち、金融機関の1年物貸出基準金利を 0.25ポイント引き下げ、4.6%とする。1年物預金基準金利を0.25ポイント引き下げ、1.75%とする。その他各レベルの貸出・預金基準金利及び個人住宅公的積立金の預金・貸出金利も相応に調整する。 同時に、期間1年以上(1年物を含まない)の定期預金金利の変動の上限を開放し、普通・当座預金及び期間1年以下の定期預金金利……
田中 修