日本はアメリカを上回る食糧廃棄率で年間1,800万トン、金額にして約11兆円もの食べ物を捨てています。その内の1,000万トンが家庭より出る食品廃棄物で、その処理費用に年間2兆円が使われています(旧科学技術庁「資源調査会第123回報告」)。それでは世界第2位の経済大国=中国の食糧事情はどうなっているのでしょうか? 6月2日付の上海紙「東方早報」に、余った食材を集め、生活困窮者に寄付する「フードバンク」が上海市浦東新区塘橋センターで始まった、と報じています。センターは社会福祉団体の緑洲公益が主宰、光明都市野菜園と提携し、流通できない生鮮食品、ケーキ、牛乳、米などを塘橋の団地内の倉庫に貯蔵。これらの食材は各団地から選ばれた住民に無料配布される、というものです。この記事の最後に、中国では貯蔵・輸送・加工の各段階で年間合計3,500万トンの食材が廃棄され、消費段階では2,000億元(約4兆円)分の食料が浪費されてい……
松本 健三