2015年8月29日、全国人民代表大会常務委員会は、今回で3回目の審議となる刑法修正案(九)(以下、「修正案(九)」という)を可決し、同日公布した(同年11月1日施行)。修正案(九)は全52条からなり、汚職罪・収賄罪において減刑・仮保釈を認めない「終身監禁」という処分を設ける、死刑となりうる罪名が減少する等、数多くの改正を行っており、注目すべきポイントが少なくない。以下、その主な改正ポイントを説明する。
1. 死刑の適用範囲の減少
改正前は、55の罪名について死刑が適用されていたが、修正案(九)は、武器・弾薬密輸罪、核原料密輸罪、通貨偽造罪、資金収集詐欺罪等9つの犯罪について、死刑の適用を排除した。今回の改正により死刑の適用範囲はさらに縮小し、死刑の減少及び抑制につながることが期待される。 2. 汚職罪、贈収賄罪の改正
昨今の汚職、贈収賄に対する厳しい取締活動を反映してか、汚職罪・贈……
劉新宇