はじめに 人民銀行は10月24日、利下げと預金準備率引下げのダブル実施を発表した。昨年秋以降、6度目の利下げ、5度目の預金準備率引下げ(方向を定めた準備率引下げを含む)である。同時に、預金金利を完全自由化した。本稿では、当局の発表・解説を紹介する。 1.人民銀行の発表(10月23日) (1)利下げ 10月24日から、金融機関の人民元貸出・預金基準金利を引き下げ、企業の資金調達コストをさらに引き下げる。うち、金融機関の1年物貸出基準金利を0.25ポイント引き下げ、4.35%とする。1年物預金基準金利を0.25ポイント引き下げ、1.5%とする。その他各レベルの貸出・預金基準金利及び金融機関に対する人民銀行の貸出金利も相応に調整する。個人住宅公的積立金の貸出金利は変えない。 同時に、商業銀行と農村合作金融機関等に対しては、預金金利の変動の上限を設けず、金利の市場による形成とコントロールのメカニズムを早急に整備し、金利体系……
田中 修