12月に入りました。今年もいろいろありましたが、一年の締めくくりの忘年会のシーズンです(ちなみに旧暦12月のことを臘月<ろうげつ>と言います)。 中国では春節(来年は2月8日)がお正月ですので、中国に滞在する日本人は年末と春節前の2回忘年会(兼新年会)をするのが恒例となっています。昔ほどではありませんが、忘年会といえばお酒と切り離せません。という訳で、今月は中国のアルコール飲料産業の現状を見てみたいと思います。 日本の宴会で出されるお酒は、まずビール、のどが潤ったところで焼酎か日本酒が一般的ですが、中国の正式(公式)宴会ではいきなり白酒(バイチュウ)で乾杯となります。中国語の乾杯は字の如く杯(さかずき)を干す(水分をなくす)意味ですので、全部飲み切らないと失礼にあたります。中国人の世界ではこれが永遠に続きますが、この習慣は主に華北・華中など北方地区で、華東では黄酒(紹興酒)、華南ではビール……
松本 健三