はじめに 本稿では、2月6日に公表された第4四半期(10-12月期)貨幣政策執行報告の概要を紹介する。
1.マクロ経済の展望 1.1概況 現在、世界経済はなお深刻なリバランスの調整期にあり、異なる経済プレートとマクロ政策は引き続き分化しており、国際金融市場の震動は激化している。錯綜し複雑なグローバル経済環境の下、中国経済は総体として中高速成長を維持しており、依然として世界で成長が最も速い大型経済体の1つであり、経済成長はよりバランスがとれ、構造の最適化傾向にあり、少なからぬ注目点も現われている。 2015年の都市新規就業増は1300万人を超え、経済成長に対する消費の寄与率も前年比で15.4ポイント高まり、GDPに占める第3次産業のウエイトは50%を超え、前年より2.4ポイント高まった。消費とサービス業は、正に経済成長を安定させる重要な牽引力となっている。 現在、中国経済の下振れ圧力は主として、資源・エネルギー……
田中 修