近年、中国の振り込め詐欺案件数は、ますます増加している。公安部(警察)のデータによると、全国でネット、電話、メールを利用した詐欺案件の数は、2011年10万件、2012年17万件、2013年30万件と年平均で70%以上も増加しており、2014年には40万件超にも達した。[1] 現在の振り込め詐欺のターゲットは、密かに外国人に移行しつつある。その主な原因として、外国人は振り込め詐欺に遭遇する機会が少なく騙しやすいと思われていることが挙げられる。また、外国人は言葉の壁やその他の理由で騙されても通報することを諦めるケースが多いこともあり、そこがまさに犯罪組織の意にかなう点となっている。従って、中国で生活する日本人も十分に警戒心を持つ必要がある。本稿では、中国の振り込め詐欺の問題について分析したので、参考に供したい。 【振り込め詐欺の常套手段】 詐欺師の常套手段には、次のようなものがある。 ● 警……
王穏