毎回身近な商品から中国の経済活動をご理解いただくよう各産業の事情をご紹介しておりますが、今回は中休みとして、それらの製品を生産・供給している中国の会社の全体像をつかんでみたいと思います。 中国や香港に行くと街の看板に「有限公司」という文字をよく見かけますが、これは株式会社の意味です。昔の上海などの写真を見ますと「○○洋行」という会社の看板がたくさん出てきますが、これは今でいう外資企業のことです。NHK朝の連続ドラマ「あさが来た」の銀行は、当時の銀本位制の「銀」と洋行の「行」をとって渋沢栄一(徳川幕臣でパリ留学、帰国後大蔵省)が「銀行」という訳語を作り、その後中国にも伝わりました。 さて現在中国には1,528万社の企業がありますが、民営の中小企業が1,513万社あり全体の99%を占めます。残り1%の15万社が中央や地方政府、及び大手の民営企業です。
15万社のうち約3,000社の国有や民営企業は上海と深……
松本 健三