1.はじめに
近年、自動車業界に対する独占禁止法による取締りが強化しつつ、2014年8月から、自動車メーカーの総販売会社による傘下の販売代理店への再販売価格制限事件や、日系自動車部品・ベアリングメーカーによるカルテル事件などが処罰され、2015年末までに自動車業界に対して科された課徴金の額は、20億人民元(2016年4月のレートで約344億円)に達する勢いとなった。このような背景の下、国家発展改革委員会は
2016年3月23日に独占禁止法の6大ガイドラインの1つである「自動車業界独占禁止ガイドライン」(意見募集稿)(以下、「意見募集稿」という)を正式に公布した。自動車業界における経営の健全化を図り、自動車業界に対する独占禁止調査をさらに透明化し、取締りの根拠となる規則を制定する目的である。
「意見募集稿」は全六章から成り、自動車業界に関する関連市場画定の問題、独占協定、市場支配的地位の濫用行……
劉新宇