1.はじめに
2016年3月から輸出入貨物税関申告書の改正が実施されることとなった。これに対しては、各方面において様々な反応が示されており、特に関心事となっているのは、改正で新たな書式に導入され、申告者において必ず選択・記入しなければならないものとして、ⅰ)「特殊関係の確認」、ⅱ)「価格への影響の確認」、ⅲ)「特許権使用料支払いの確認」という課税価格の査定に密接な関係を持つ3項目である。
筆者にも、その導入を決定した「『中華人民共和国税関輸出入貨物税関申告書記入規範』の改正に関する公告」(税関総署公告2016年第20号)が3月24日に税関総署によって発せられた後わずか1週間ほどの短期間に十件を超える企業から相談が寄せられ、その内容はこれら3項目の選択・記入の方法やそれに伴うリスクなどに関するものに集中することになったが、ここで主要な論点を抽出すると次のようにまとめられる。
(a)企業が……
劉新宇