1.はじめに
中国に輸入される商品は、輸入関税、増値税及び消費税の課される輸入貨物(中国語では「進口貨物」)と行郵税の課される輸入物品(中国語では「進境物品」、すなわち、個人が自己使用目的で携帯して国内に持ち込む荷物または国内に郵送される物品)に二大別することができる。「物品」の輸入は、50人民元以下の行郵税及び商品検査手続の免除などの便利政策が適用され、税金も「貨物」より安くなっている。一方、これまでの数年間に急増している企業と消費者間(B2C)で小売を目的として行われる越境電子商取引(以下、「越境EC」という)につき、一定の貿易属性があるにもかかわらず、適用可能な関税政策が制定されていないので、通常の関税等より低税率の行郵税が適用されていた。しかし、これにより、越境 EC による小売商品輸入を行う場合、一般貿易で輸入された貨物に比較して全体的な税負担が低くなり、市場競争上の不公平が生じ……
劉新宇