先頃、中国国務院法制事務室は、「不正競争防止法(改正草案送審稿)」(以下、「不正競争防止法(送審稿)」という)を公布し、社会に向けてパブリックコメントを募集した。本不正競争防止法(送審稿)が最終的に発効し施行されれば、現行の「不正競争防止法」が抱えていた数多くの問題点が改善されることになる。本稿では不正競争防止法(送審稿)を考察し、改正が行われた経緯、ポイント及び事業者がコンプライアンスリスクを回避するうえでの要点などについて簡潔に紹介する。
一、改正の経緯
現行の不正競争防止法が1993年に公布、施行されてから20年余り経過したが、その間、中国の経済構造に極めて大きな変化が生じたことで、現行の不正競争防止法では、時代の流れに即さなくなっており、法律の内容が古いままで必要条項が足らず、法執行の基準も統一されておらず、罰則の程度があまりにも軽すぎるなどの問題が顕在化していた。同……
郭蔚