1.はじめに
2016年11月16日、中国国家工商行政管理総局(以下、「工商総局」という)は、テトラパック社(Tetra Pak)及びその傘下にある5社の在中国外商投資企業(以下、併せて「テトラパック」という)が市場における支配的地位を濫用した事件につき行政処罰を下し、総額6.67億人民元の課徴金を科すものとした。この決定に対し、テトラパックは既に処罰を受け入れ、相応の是正措置を講じ、行政不服審査又は訴訟を提起するつもりのないことを明らかにしている。
この5年間余りをかけてようやく公布された工商総局の処罰決定によると、テトラパックは、中国大陸における液体食品用の紙複合材無菌包装設備市場(以下、「設備市場」という)、液体食品用の紙複合材無菌包装設備向け技術サービス市場(以下、「サービス市場」という)、液体食品用の無菌包装用紙複合材市場(以下、「包装材市場」という)における支配的地位を濫用して、正……
劉新宇