1.はじめに
中国の不正競争防止法(以下、「現行不競法」という)は、1993年の施行以来、20年以上の時を経ており、現在の経済、市場規模、市場競争状況などに大きな変化が生じるなか、現行不競法では既に経済発展のニーズに応えられない現実に直面している。同時に独禁法の公布や商標法、広告法の改正などに伴い、関連法条文との間で重複する内容も散在している。
まず、現行不競法の条文構成は日本と大きく相違し、中国の特色が強い。というのは、中国の不競法は日本の不正競争防止法上の不正競争行為に相当する行為のみならず、日本の独禁法上の「不公正な取引方法」などに相当する行為及びその他の特殊な競争制限行為をも不正競争行為として規制している。
国家工商行政管理総局が現行不競法の改正作業を開始したのは2003年であったが、2016年2月25日、国務院法制弁公室が「不正競争防止法(改正案審議稿)」の全文を公表し、……
劉新宇