現行中国労働法によると、標準労働時間は1日8時間、1週間40時間と規定されている。これを超える場合、または休日・祝日出勤においては、会社は時給換算にて150%または200%の金額を超過勤務・休日出勤手当として支払わなければならない。一方、総合計算労働時間制とは、標準労働時間制をベースに、一定期間を周期として合計労働時間とする勤務制度をいう。平日と休日の区別がないため、休日出勤の場合でも200%の基準で手当支給の必要はない。人件費削減の意味でも、当制度のメリットなどを簡単に説明する。
【事例】 原告A氏(従業員)と被告B(会社)は労働契約を締結、Aが営業職であることから、総合計算労働時間制を実施した。現地の人力資源・社会保障局は、B社に1年の周期で総合計算労働時間制を実施することを許可、期間は2015年6月1日~2016年5月31日とした。B社はA氏の勤務時間をこの周期での合計時間で管理していたが、期間中の3月1日……
王穏