今年に入り日本を含む大手企業が中国当局より、「香港、マカオ、台湾、チベット等の中国領土を独立した国家の様に自社ウェブサイトや宣伝広告で扱っている」として、厳重警告を受け削除や修正・謝罪に追い込まれています。各企業とも中国と取引を開始した時代の経営者が引退し、対中貿易の原点を忘れた世代が経営の中枢を占める現在、改めて中国と商売をするとは何か、を考えてみたいと思います。
2月6日、ドイツ自動車大手ダイムラー傘下の高級車ブランド「メルセデス・ベンツ」の広告宣伝にチベット仏教の最高指導者ダライ・ラマ14世の言葉が引用されたことに中国内で反発が起き、ベンツが謝罪に追い込まれました。欧州のベンツの広告では車の写真と共に、「あらゆる角度から状況を見れば、よりオープンになる」とのダライ・ラマの言葉が英語で掲載されていましたが、2月5日に人民日報紙に、「中国人民に対する挑戦だ」とする論評が掲載さ……
松本 健三