ベンフォード分析は一般的には聴き慣れない名称ではありますが、監査の現場では監査ツールとして監査ソフトウエアに組み込まれており、その分析はコマンド機能を操作する事で容易にグラフを描けることができます。 下図は2018年3月2月の香港上場銘柄の終値(1596銘柄)の頭2桁がどのような数字となっているかを抜き出したものです。ここで株価の数値を出す事に特別な意味はなく、自然界に存在しているランダムな数値のサンプルとして抜き出したに過ぎません。縦軸が件数、横軸が2桁の数字(10~99)のグラフとなっています。緑色の棒グラフは実績値の件数で、赤色の曲線はベンフォードの法則で計算される予測値を示しており、株価の頭2桁の数値分布はベンフォードの法則の期待分布とほぼパラレルな状況となっている事が分かります。
ベンフォード(Benford)の法則とは、いったいどのようなものか? 自然界に存在しているランダムな数値(10進……
川島 肇