前回でも解説しましたが、ベンフォードの法則から発生する「期待値を超える数字の発生の原因」としては、不正の可能性、または内部統制の不備の可能性が考えられます。 監査の現場では、CAATを利用して実際にベンフォード分析を行う事になりますが、監査ソフトにはベンフォード分析を行う機能が準備されています。データをインポートしさえすれば自動的にグラフまで描く事ができ、グラフのスパイク(突出値)の位置をドリルダウンする事で不審なデータを特定できます。そして、異常値を含むデータ群に対しては、サンプリングの頻度を高めるなどして原因を追究していく事になります。
下記事例では、財務の仕訳データの中に恣意的な数字が紛れ込んでいないかを分析するケースで、ERPシステムを採用する販売会社を紹介していきます。ここでは1カ月の仕訳データ件数は、借方で7,028件のレコードとなっていますが、このデータをベンフォード分析でグラ……
川島 肇