外国企業(日本企業等)が、中国企業に役務を提供して、対価を回収する場合、中国において、企業所得税・増値税・付加税(城市建設税・教育費付加・地方教育費付加等)の源泉徴収課税が行われます。この源泉徴収課税の方法について、解説します。
1.源泉徴収課税の原則的な負担者 中国で発生した税金の負担を、中国企業・外国企業の何れが負担するか、という点は、当事者が契約で取り決める事ができます。 但し、原則的な負担者は、以下の様な考え方になります。
① 企業所得税 所得を稼得した企業が負担する税金であるため、この場合は、報酬の受領者である外国企業が原則的な負担者となる。 契約に、企業所得税も中国企業負担として定める事は可能であるが、その場合は、税額も、課税所得に加算する必要が出てくる。
② 増値税 発票には、源泉徴収義務者である中国企業の名称が記載され、外国企業の名称は備考欄に記載さ……
水野 真澄