概要
データのやり取りは、多国籍企業を正常に運営していくうえでの重要な条件であるが、あまりにも自由すぎるやり取りは、データのセキュリティ上、潜在的なリスクをもたらすことがある。この点、中国では「サイバーセキュリティ法」が、国境を越えるデータ伝送について原則的な規定を行っており、重要情報インフラ運営者(「CIIO」)に対し、当地での保存及びセキュリティ評価を求めている。「個人情報及び重要データの域外持ち出しセキュリティ評価弁法」においては、法令遵守義務者がCIIOからインターネット運営者にまで拡大されており、多くの在中国外資企業に影響することは必至である。
本文
■データの国境を越える伝送に関する中国の法規制体系
データに関する中国での現行の遵法体制は「サイバーセキュリティ法」をベースに構築されたものであるが、「サイバーセキュリティ法」の漠然とした規定だけでは法令執行……
邱奇峰