春から初夏といえば異動のシーズン。中国駐在者の異動もやはりこの季節が多いです。赴任者の皆さんの任期が平均して三年だとすると、毎年、三人に一人は入れ替わっていることになります。
異動といえば「引継ぎ」ですが、この引継ぎ、海外拠点においてもなかなか重視されていないのが実情です。
とくに、本社の方で楽観的に構えていることが多いようで、「日本国内の支店間異動や事業部間異動と同じような感覚なのでは?」と感じることもあります。
内部牽制や人員繰りなど、異動発令から実施までを短くする理由も理解できますが、「スムーズな事業展開と業績の継続的向上」という大目的を考えると、引継ぎはもっと重視して丁寧に実施した方がよいのかもしれません。
なぜなら、引継ぎには、いくつかの重大なリスクが潜んでいるからです。
●現地の引継ぎリスク ①日常業務が停滞し、調子を戻すのに半年ぐらいかか……
小島 庄司