中国は、自動車の生産と購入の大国といっても過言ではない。統計によれば、中国における2018年の自動車生産量は2782万台、販売量は2808万台であった。自動車産業は、原材料の面で鋼鉄、プラスチック、石油化学など、製造の面で機械、電子、電気など多くの産業と関わっており、国の重点的な支援も受けている。自動車の生産に関しては、昨年以降、次々と新法令が公布されていることから、本稿は、その全体を鳥瞰したうえ、新法令の施行に伴う影響や注意点について論ずるものとしたい。
1.自動車製造業における外資制限の緩和
習近平国家主席は2018年4月10日、博鰲アジアフォーラムにおける講演で、対外開放をさらに継続し、市場参入、特に自動車業界の外資参入への規制を大幅に緩和するという国の方針を表明した。その直後の2018年6月28日には、国家発展改革委員会と商務部によって「外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)(2018年……
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