この1年ほどの連載テーマ「現地と本社の二人三脚」も今回で最終稿となりました。本稿では、現地の皆さんが言いたくても言えないことを代弁するのが狙いの一つでしたので、最後も生の声で締めたいと思います。
■ある敏腕弁護士の話「労働仲裁や裁判で一番やりやすいのは、全く法律に無知で白紙のような相手。仲裁員や裁判官の話には聞く耳を持つ。次にやりやすいのは法律知識が豊富な相手。お互い手の内がわかっているので、後は妥当なところで線引きできる。一番タチが悪いのは、自分では法律知識があると思い込んでいるが実は中途半端な相手。主張に法的根拠がないものの、自信があるから相手の話に耳を貸さない。こういう相手には裁判官もうんざりしている」
■ある現地経営者の話「現地の経営者として一番やりにくいのは、かなり以前に中国を経験した役員がいる場合。彼らは、自分が一番の中国通だと自負しているが、その経験は十年以上……
小島 庄司