新型肺炎の問題は、世界に広がりはじめました。韓国やイタリアは深刻な事態になっていますし、日本は小中高校の春休みまでの休校要請があり、マスクだけでなくトイレットペーパーや米など、デマで店頭から姿を消す生活品も出はじめました。1月20日ごろから中国側で起きた事態をずっとリアルタイムでウォッチし、対応を指揮してきた私としては、まるで砂浜につくった城が波で崩れていくのをスローモーションで見ているかのような、名状しがたい感慨にとらわれます。こうすればこうなっていくと分かっていても、自分にはどうしようもできない無力感というのでしょうか。いまとなっては、早く事態が終息するのを願うばかりです。
●コンプライアンス至上主義が生むリスク
日本の今後が予断を許さない中、新型肺炎による非常事態で考えたことを書いてみたいと思います。「喉元過ぎれば熱さを忘れる」と言いますが、いま問題提起しないと耳に引……
小島 庄司