前回からコンプライアンス至上主義を再考するというテーマで本稿を書いています。
誤解を招くかなと思ったのですが、叱正のお便りはいただきませんでしたので、趣旨を理解していただけたのか、はたまた、「また小島が挑発的なことを言い出したな」と温かく(あきらめて)見守っていただいているのか、きっとどちらかでしょう。ということで、今回も続けます。
前回、法的には同じような問題が存在する類似事例を二組挙げて、私が助言を求められたら、異なる話をすると書きました。事例を簡単に再掲して、私の着眼点を添えていきます。
【事例①A】残業が月20時間程度、残業代基数は基本給。対象者の多くは地元出身でマイカー通勤者も。
【事例①B】現場で月60時間程度の残業。基数は法定通り。対象者の多くは外地出身で宿舎に居住。
どちらも、残業に関する法的な問題があります(Aの場合、基本給が毎月の固定的給与……
小島 庄司