外国人の中国における個人所得税の納税方法について解説します。
1.根拠法と概要
外国人の個人所得税課税の根拠となるのは、「非居住者個人及び住所のない居住者個人の関連個人所得税政策に関する公告(財政部 税務総局公告2019年第35号)、以下、35号公告」であり、ここでは、滞在日数、役職(一般職員・高級管理職員)、受領する報酬(給与・役員報酬)等 の条件に応じた課税対象所得の計算方法が規定されています。また、租税条約締結国の居住者が、租税条約の適用を受けるか、中国国内法に基づくかは、納税者が選択できることが、第四条に規定されています。
2.国内法に基づく課税と租税条約適用の場合
国内法(35号公告)では、状況・滞在日数に応じて、以下の公式を規定しています。
(1) 年度内の中国滞在日数90日以内
a) 一般職員の場合(公式一)納税者である外国人の、中国滞在日数が90日以内の場……
水野 真澄