2020年10月、上海市人民代表大会常務委員会が「上海市不正競争防止条例」(以下「条例」という)を改正し且つこれを採択した。「条例」は、上位法の直近に改正された内容に基づき調整を行い、不正競争行為について詳細な規定を行っている。本稿は、「条例」の改正内容を全体的に整理したうえで、そのうちの不正競争行為に焦点をあてて考察し、「条例」が企業の運営に与える影響を分析し、且つコンプライアンス方面での助言を行うものである。
■「条例」の改正に至った背景
ここ数年、良好なビジネス環境を創出するために、中国において市場環境の秩序に対する監督管理強化の動きが強まっている。また、技術と経済の急速な発展に伴い、新たなビジネススキームと競争方式が続々と出現し、立法の次元からこれに関連する法律法規の更新も行われている。「中華人民共和国不正競争防止法」(以下「不正競争防止法」という)が2017年と2019年の2度……
裴徳宝