不正との戦い…これをテーマに選んだ動機
■あるベテラン駐在員からの助言
海外事業において、「不正」との付き合いは避けて通れないといっても過言ではないでしょう。厳重注意で済ませられるものから、現地経営に深刻な影響が生じる、日本の社長が引責辞任するなど重大なダメージを受けるものまでさまざまです。
発覚した不正にどう対処するかも大切ですが、最も理想的なのは、そもそも不正が起きないこと、怪しい動きは芽のうちに摘んでおくことです。
しかし、特にアジアではなぜか、そう思わない経営者が非常に多いのです。
私も中国に来たばかりの頃、あるベテラン駐在員に言われました。「あのね、小島さん。実を言えばウチだって不正はそこら中に埋まってるよ。でも、アジアでこれは必要悪。手を突っ込み出したらキリがない。郷に入れば郷に従えでしょ。ある程度は目をつぶってやってかないと仕事はできん……
小島 庄司