はじめに 9月26日、趙楽際中央巡視工作領導小組組長は、金融単位の党組織に集中巡視を行うよう指示し、これを受け、中央巡視組が10月上旬頃、人民銀行、銀行保険監督管理委員会、証券監督管理委員会、国家外貨管理局に入った(対外公表は10月12日)。
反腐敗調査は2カ月に及び、10月20日には、元人民銀行科学技術司長の王永紅が審査・監察調査を受けていることが判明した。
大手民間不動産会社の経営悪化から、金融リスクについて市場で懸念が広がるこの時期に、なぜ金融分野が狙い撃ちにされたのかは、不明である。本稿では、その際の巡視組組長の発言と各組織トップの発言を紹介する。
1.人民銀行(1)人民銀行担当:高飛中央巡視組長 金融は現代経済の核心であり、発展と安全に関わる。
第18回党大会以降、習近平同志を核心とする党中央は、金融政策・行……
田中 修