1.はじめに
「独占禁止法改正草案(意見公開募集稿)」(以下、「2020年意見募集稿」という)が2020年1月に中国国家市場監督管理総局より公布され社会に意見を求めた後、独占禁止規制の強化を背景として、「独占禁止法」の改正が全国人民代表大会常務委員会2021年度立法作業計画に組み入れられ、2021年10月には、「独占禁止法(改正草案)」[1](以下、「改正草案」という)が全国人民代表大会常務委員会の第1回審議に上程された。このような立法動向を受け、本稿においては、9つの方面から「改正草案」の要点に関する解説を行い、日系企業が立法の変化について把握し、将来的にどのように変更されるのかを検討するための一助となるものとしたい。
2.「改正草案」による改正の注目点
(1)競争政策の基礎的な地位の明確化
「改正草案」は、「2020年意見募集稿」と……
金杜法律事務所