今年、江蘇省南通経済技術開発区化工園区北区(以下、「北区」という)内の複数の化学工業企業が「政府は現有の工場を収用するため、企業は3年以内に移転を完了させなければならない」とする通知を上級政府部門から受け取った。筆者の知る限りでは、通知を受けた企業には、著名な外資系企業も複数含まれており、これらの企業はいずれも北区で長年経営し、かなり大規模な投資を行なってきており、今回の「収用、立退き」が企業に大きな影響を及ぼすのは間違いない。
政府部門からの「収用」の要求に対し、多くの企業(とりわけ「外資系企業」)は、戸惑いと疑問が生じるであろう。これらについて、筆者は、中国の係る法律規定及びこれまでの実務取扱経験等を踏まえ、外資系企業が注目し得る6つの課題について分析し、対応策を考察する。
Q1:どのような状況において、収用される可能性があるのか。
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丁志龍