コロナ禍を乗り切り、日本企業による中国拠点の経営は小康状態に入ったように見えます。爆発的に伸びることはないが、特に大きな問題もなく、日々の業務は淡々と回っている。日本の低成長に慣れた日本人の目には、好ましい風景と映るかもしれません。
しかし、中国は相変わらず爆速で変化しています。強まる監視の目、力強さを欠く経済、少子化、就職難……、中国社会は閉塞感を増し、反スパイ法の成立、処理水の問題など、日本人駐在員も漠然とした不安を感じずに暮らしていくことは難しくなっています。
そんな中で、中国における自社のあり方について、いちど立ち止まって考えようとする企業が目立ってきました。中国市場に手厚い戦力を振り向けるにしろ、見切りをつけて撤退へ舵を切るにしろ、ただ流れに身を任せていてはジリ貧だと、日本企業も気づき始めています。
現地化という一事をとっても、日本本社の関……
小島 庄司