前回、現地の感覚を経営に活かすという意味での「現地化」には、権限を個人でなく組織に持たせる仕組みを考えることが必要だという話をしました。
それでも、「いやいや、多少の私物化があったとしても、優秀な人に丸投げした方が絶対ラクだし、日本側としては利益だけ取れれば問題ない」。そう腹を括れるのであれば、そういう現地化の方法もナシではないです。
その場合、欧米系の会社のように、目的の達成度をシビアに見る必要があります。一般的な中国拠点の役割は、グループ全体あるいは本国・本社に利益をもたらすことですから、年限を切って目的に即した業績目標を設定し、大きな結果が出せれば処遇もドンと上げる。到達できないときは責任者を解雇したり、拠点ごと閉鎖したりする決断をしなければなりません。欧米系はこの辺り非常にドライです。
日系企業でも、そういう厳しさを持つ経営が自社の価値観に合うならいいと思い……
小島 庄司