■ 自分で動かない出張者たち
アジアの現地感覚は、やはり実際に行って触れてみないことにはわかりません。が、ただ行っただけで知った気になるのも困りものです。
以前、こんな記事を読みました。あるドイツの会社では、海外出張は幹部の特権になっていた。どこへ行くにもホテルは5つ星、飛行機はファーストクラス、空港までハイヤーがお出迎え、冷房の効いた車内からサーッと街並みを眺め、食事は高級レストランのVIPルーム。お供の部下を引き連れて、大名行列のような出張だった、と(どこかの国の大手企業でも同じような光景が……)。
これに新しい経営者がダメ出しをして、そんな視察では何もわからん、いっぺんエアラインはエコノミー、宿泊はビジネスホテルの相部屋、食事は地元の食堂で食ってこい、と尻を叩いたという話です。
この会社はショック療法としてやってみたようです。海外出張を特権と勘違い……
小島 庄司