取引契約における紛争解決条項には、「契約紛争の双方が協議によっても解決できない場合、訴訟を申し入れた一方の所在地での仲裁とする」などの規範化されていない表現が使われることがある。ひとたび紛争が起きた際には、いったいどの紛争解決機構が処理することになるのだろうか?筆者の実務経験に基づき、司法の実践を踏まえると、通常3通りの対処方法がある。
■ 方法 その1
主な対処
1) 「訴訟を申し入れた一方の所在地での仲裁とする」という紛争解決条項が訴訟と仲裁を同時に約定していることを理由に、紛争管轄の約定が不明瞭であり、当該条項は全体的に無効であるとして主張する。
2) 等級別管轄及び専属管轄に違反しない前提のもと、法定管轄を適用し、すなわち、被告の住所地または契約の履行地の裁判所に訴訟を提起する。
3) その中で、契約の履行地について、説明すべきこと……
董紅軍