「報告」は、「過去1年、多重の困難・試練が交錯し重なり、わが国の経済は波形の発展・曲折型の前進となり、成果を得るのは容易ではなかった」とする。具体的な困難・試練としては、以下のものが挙げられている。
(1)国際面世界経済の回復は力を欠き、地政学的衝突が激化し、保護主義・一国主義が台頭し、外部環境のわが国発展に対する不利な影響が持続的に増大した。
(2)国内面①3年間の新型コロナウイルス感染症のダメージを経て、経済の回復・発展には元々少なからぬ難題があったが、長期に累積した深層レベルの矛盾が急速に顕在化し、多くの新しい情況・新しい問題が踵を接して現れた。
②外需の下降と内需の不足が頭を並べ、周期的・構造的問題が併存した。一部の地方の不動産・地方債務・中小金融機関等のリスクが顕在化した。一部の地域は洪水・冠水、台風、地震等……
田中 修