冬に入り、雨や雪といった悪天候が増えることで、従業員の出退勤途中における事故も増加する。筆者はこのところ、労災認定に関する多くの相談を受けているが、本文では、労災について差し当たり理解し、判断しやすいよう、関係する法律規定を踏まえ、労災認定の細かな点、とりわけ出退勤途中に負傷したケースの労災認定について考察する。
Q1.労災と認定されるうえでの法定状況とはどのようなものか?
「労災保険条例」第14条の規定によると、従業員が以下の状況のいずれかに該当する場合、労災と認定されることになる。
1.業務時間中及び業務場所において、業務上の原因により事故に遭い負傷したとき。
2.業務時間の前後に業務場所において、業務と関係のある準備又は片付けの性質を有する業務に従事することにより、事故に遭い負傷したとき。
3.業務時間中及び業務場所において、業務上の職責を履行し……
董紅軍