■ 脱現地化で日本化?
経営の現地化は必要だが、現地を属人化してしまうと必ず問題が起こるという話をしてきました。
では、属人化ではない健全な現地化を進めるにはどうしたらいいのか、原点に戻って考えてみましょう。
「日本人」に任せればいいわけではないことは前稿でも述べました。不正は経営の属人化が根源的に持っている問題であり、任せる人の国籍や経歴に関係なく起こります。
現地経営を属人化しないためには、日本側のコントロールがきちんと効いている状態が必須です。とはいえ、日本と同じやり方を貫いて組織を「日本化」してしまっては、現地の強みも失われてしまいます。
なぜなら、日本の仕組みは社会の同質性を前提としたハイコンテクストのコミュニケーション(「暗黙の了解」「空気を読む」が前提のやりとり)に立脚しているからです。
日本は長らく同質性の高い社会でした。稲作が中心の……
小島 庄司