概要:
2024年7月1日、「会社法(2023改正)」(以下「改正『会社法』という)が正式に施行された。「会社法(2018改正)」(以下「旧『会社法』という)に比べ、董事、監事、高級管理職者の責任が強化されたことが、今回の改正「会社法」の大きな目玉のひとつになっている。本稿において、当該改正の内容を踏まえて、Q&A形式により、改正「会社法」下における有限責任会社の董事、監事、高級管理職者(会社の総経理、副総経理、財務責任者その他会社定款に定める者を含む)の責任について、押さえておくべきポイントを解説する。
本文:
今回の改正「会社法」では、董事、監事、高級管理職者が果たすべき忠実義務、勤勉義務の具体的内容が明確化されたのと同時に、董事、監事、高級管理職者の責任になる状況、及びその責任負担形式(それには、会社に単独で賠償責任を負うこと、株主と連帯して賠償責任を負うこと……
沈偉良