■ 駐在員の軽量化
経営の健全な現地化では、三現主義を踏まえた本社の意向・理念を現地に浸透させ、折に触れておかしくなっていないかチェックすることが駐在員の重要な役割の一つです。
駐在員がその役割を果たすためには、「最終的なボスは自分だ」と言う根拠となる権限=人事権を握っていなければなりません。
現地化を進める企業の一般的な傾向として、中国駐在員はどんどん若くなり(もしくは、すでに「上がり=定年」に近い社員)、ポジションも軽くなっています。会社によっては、販売責任者レベルの現地社員が駐在員と同等の権限を持っていることもあります。
これでは「立場の交差」が起きます。自分では何も決められず、本社ばかり見ている駐在員が現地社員の信頼を得られるでしょうか。少なくともその拠点で最も重い決裁権を持っていなければ、そしてそれを適切に行使できなければ、駐在員が拠点をコントロールす……
小島 庄司