3月5日、李強総理は全人代に対して「政府活動報告」(以下「報告」)を行った。その概要と注目点は以下のとおりである[1]。なお、重要なフレーズはゴシックで示している。
Ⅰ.2024年の回顧 1.2024年に直面した困難・試練
「報告」は、「過去1年、わが国の発展は平凡ではなかった」とする。具体的な困難・試練としては、「外部環境の変化がもたらした不利な影響が引き続き深まり、国内で長期に累積したいくらかの深層レベル・構造的な矛盾が集中的に顕在化し、内需不振・予想の弱気化等の問題が交錯し積み重なり、一部地域で洪水・冠水等の自然災害が頻発し、経済社会の平穏な運営の難度が増大した」としている。
2.困難・試練への対応
「報告」は、このような多重の困難・試練に対し、「我々は既存の政策の実施に力を入れ、マクロ・コントロールを適時最適化し、積極的・有効に対応した。とりわけ……
田中 修