概要:
「会社法(2023年改正)」(以下「新『会社法』」という)の改正に注目すべき点の一つは、従業員権益の保障及び企業の民主的管理であり、そのうち、会社に従業員董事を置くことについて、新たな要求を提起し、従業員が根本から会社の意思決定に参与し、監督する権益はさらに強化された。本稿では、新「会社法」の規定をもとに、有限責任会社の従業員董事・従業員監事について押さえておくべきポイントを解説する。
本文:
一、新「会社法」における、従業員董事・従業員監事制度の見直し
従業員董事・従業員監事制度は、企業においてマネジメントの民主化を実現する上で重要な制度であり、「会社法」が1993年に初めて公布されて以来、この制度が確立されている。その適用範囲からみると、従業員監事制度は、すべての監事会設置会社に強制的に適用されるが、従業員董事制度は、すべての董事会設置会社に……
沈偉良