概要
2024年12月25日に、全国人民代表大会常務委員会が「中華人民共和国増値税法」(以下「増値税法」という)を公布し、同法は2026年1月1日から施行される。現行の増値税暫定条例[1]、実施細則[2]、財税36号文[3]などの規定と比べ、増値税法は多くの規定を更新し調整した。本稿では、現行規定と比較しながら、増値税法において、特に注目すべき点を読み解く。
本文
1.増値税課税取引の「有償性」「販売行為」という特徴の強化
現行規定(本稿附表一をご参照)と比べ、現行規定における「課税販売行為」という表現を、増値税法では、「課税取引」という表現に置き換えている。課税取引という表現はそれ自体、「有償性」「販売行為」という特徴を持ち(即ち、現行規定においては、散在していた「販売行為」「有償」の特徴を「課税取引」の一言で表した形になっている)、さらに明瞭簡潔な表現にな……
包巍岳