はじめに
10月20~23日に開催された中国共産党中央委員会第4回全体会議(4中全会)は、第15次5ヵ年計画(2026年~30年)制定に関する党中央建議(以下「建議」)を採択した。これは、新5ヵ年計画の基本的設計思想・基本方針を示したものであり、今後これに基づき、国務院(政府)が第15次5ヵ年計画要綱案を策定し、来年3月の全国人民代表大会(全人代)に提出し、審議を経て要綱が決定されることになる。
本稿では、この「建議」について、留意すべき点を紹介する。なお、重要なフレーズは太字で示している。
Ⅰ.習近平総書記の「説明」の要点
習近平総書記は党4中全会の冒頭で、「建議」に関する「説明」を行った。この「説明」は、①「建議」の起草プロセス、②「建議」起草において主として考慮したことと「建議」の主要内容、③重点問題が簡潔に示されており、「建議」の理解の助けとなるものであるので、その概要をまず紹介……
田中 修