中国全国総工会の張鳴起副主席は、「労務派遣を規範化するため、総工会と人力資源社会保障部は合同検討作業に着手した」と明らかにし、「最終的に追加政策を打ち出すことになるだろう」と説明した(2011年3月16日付「労働報」)。 主にターゲットにされているのは、労務派遣の「臨時性、補助性、代替性」という「三条件」問題である。 (1) 「三条件」の経緯 「労働契約法」第66条では、「労務派遣は、一般に、臨時的、補助的又は代替的な業務職位において実施する」と定められている。ここの「臨時的」「補助的」「代替的」というのは、俗称「三条件」。その趣旨は、労働契約の締結率(正規雇用)の向上を目指すうえで、三条件規制を利用して労務派遣業の成長を制約することにある。しかし、他方では「労働契約法」で労務派遣の領域に常時雇用制度を導入し、2年以上の契約締結義務を付与している。では、「2年」とは果たして「臨時的」といえるの……
立花 聡