中国の労働組合(中国語原文「工会」)と完全市場経済国家の労働組合組織の間には大きな違いがある。「中華人民共和国工会法」(1992年4月公布、2001年10月27日改正、以下「工会法」とする)と、日本の「労働組合法」を比較すると、以下の4点について異なる点が見られる。
第1に、立法の趣旨が異なる点が挙げられる。
中国の「工会法」の規定は「労働組合の国家政治、経済及び社会生活上での地位を保障し、労働組合の権利と義務を確定することで、労働組合が社会主義の現代化にその能力を発揮できるよう、憲法の規定に基づいて本法を制定する」と規定している。
日本の「労働組合法」の規定は「この法律は、労働者が使用者との交渉において対等の立場に立つことを促進することにより労働者の地位を向上させること、労働者がその労働条件について交渉するために自ら代表者を選出することその他の団体行動を行うために自主的に労働……
立花 聡